トルコ中央銀行は23日の金融政策決定会合で、主要政策金利である7日物レポ金利を8.5%に据え置いた。インフレ率は高水準にとどまっているものの、物価の安定よりも震災からの復興支援を優先した。中銀は同国南部で発生した大地震の影響を緩和するため、2月の前回会合で0.5ポイントの利下げを実施している。
中銀は声明で、地震の影響を最小限に抑えて復興を後押しするため、支援的な金融環境を優先すると強調。鉱工業生産と雇用の拡大を震災後も維持するため財政状況の下支えが重要だと繰り返した。
同国のインフレ率は2月に55.18%となり、1月(57.68%)から2.5ポイント低下した。インフレ率の低下は4カ月連続だが、下げ幅は縮小傾向にあり、市場ではインフレ率が下げ止まるとの見方が出ている。キャピタル・エコノミクスで欧州新興国を担当するニコラス・ファー氏は「2月の各指標には価格圧力の非常な強さが表れており、さらなる利下げの余地がないことを示している」と述べた。