EUが「チャットGPT」対応の作業部会設置へ、加盟国で情報共有

EU加盟国のデータ保護当局で構成する欧州データ保護会議(EDPB)は13日、対話型AI「ChatGPT(チャットGPT)」をめぐる問題を検証し、対応を協議するため専用の作業部会を設置すると発表した。生成AIによる個人データの取り扱いなどについて、EUの共通政策に向けた議論が本格化する可能性がある。

米新興企業のオープンAIが開発したチャットGPTをめぐっては、イタリアのデータ保護当局が3月末、膨大な個人データの収集・保存を正当化する法的根拠がないため関連法に違反する違反する可能性があるとして、一時的に国内での使用を禁止した。EDPBは13日の会合でこの問題について協議。欧州各国で同様の懸念が広がっていることから、「各国のデータ保護当局が実施する可能性のある強制措置について、(加盟国間で)協力と情報交換を促進するため」、チャットGPTに関する問題を専門に扱う作業部会の設置を決めたと説明している。

一方、イタリアのデータ保護当局は12日、チャットGPTを運営するオープンAIに対し、4月末までに個人情報保護のための具体的な対策を講じるよう指示したと発表した。当局が求める要件を満たし、個人データの扱いをめぐる懸念が解消された場合は、禁止措置を解除すると説明している。

イタリア当局はオープンAIに対して◇チャットGPTのサービスに必要な個人データの収集や処理方法をホームページで公開し、生成された個人データが不正確な場合、利用者が修正や削除を要請できるようにする◇厳格な年齢確認システムを導入し、13歳未満の子どもがサービスを利用できないようにする◇AI学習のために大量の個人データを収集・処理していることをテレビや新聞などで周知し、AIについて一般市民に啓発する―― などを求めた。

上部へスクロール