欧州委員会は3日、仏通信大手オレンジがスペイン事業を同国同業マスモビルと統合する計画について、本格的な調査を開始すると発表した。競争上の問題が浮上したことから、初期審査での承認を見送り、詳細な調査を実施して統合の可否を判断する。
スペインの携帯電話、固定ブロードバンドサービス市場で、オレンジは最大手テレフォニカに次ぐ2位、マスモビルは4位となっている。両社は2022年7月、スペインでの事業を統合し、合弁会社を設立することで合意していた。
欧州委は初期調査の結果、同国の携帯電話、固定ブロードバンドサービス市場で大手の2社が統合すれば、自前の通信網を保有して両サービスを展開する企業が4社から3社に減り、健全な競争が阻害されて料金の上昇、サービスの質の低下を招きかねないと判断。仮想移動体通信事業者(MVNO)による両社の通信網へのアクセスを制限する恐れがあることも考慮し、本格的調査に踏み切った。8月21日までに可否を最終判断する予定だ。