ユーロ圏住宅価格、10~12月期は上昇率が急低下

EU統計局ユーロスタットが4日に発表したユーロ圏の2022年10~12月期の住宅価格は、前年同期比で2.9%の上昇となったが、上げ幅は前期の6.6%を大きく下回った。上昇率の鈍化は3期連続。欧州中央銀行(ECB )の金融引き締めや、物価上昇の影響で住宅需要が減っているためで、前期比では1.7%下落し、15年以来のマイナスとなった。(表参照)

ユーロ圏ではECBがコロナ禍対策として金融緩和を進め、金融市場に大量の資金が流れ込んだ結果、住宅ローン金利が下がって住宅を購入する人が増え、上昇率は21年10~12月期から統計を開始した2005年以降の最高記録を更新していた。

しかし、金融引き締めに転じたことで、22年4~6月期は2年ぶりに鈍化。7~9月期も縮小していた。10~12月期は鈍化が加速した。

EU27カ国ベースの前年同期比の上昇率は前期を3.7ポイント下回る3.6%。主要国はドイツが3.6%下落。フランスは4.9%、イタリアは2.8%、スペインが5.5%の幅で上昇した。

一方、前期比ではドイツ、フランス、スペインを含む15カ国でマイナスとなった。

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