欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2023/5/22

西欧

日英が経済・安全保障・半導体で連携強化、丸紅や住商など英に177億ポンド投資

この記事の要約

日本の岸田首相と英国のスナク首相は18日、主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)開幕に先立ち、広島で会談を行い、日英間の経済・安全保障・技術分野での協力強化を目指す「日英広島アコード」で合意した。また、台湾情勢を念頭にサ […]

日本の岸田首相と英国のスナク首相は18日、主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)開幕に先立ち、広島で会談を行い、日英間の経済・安全保障・技術分野での協力強化を目指す「日英広島アコード」で合意した。また、台湾情勢を念頭にサプライチェーンの強靱性向上を目指す日英の「半導体パートナーシップ」も締結し、供給網の強化や研究開発(R&D)に共同で取り組む方針で一致した。

広島アコードは◇安全保障上の課題に対してより密接に協議し、両国の防衛・安全保障分野の産業連携に取り組む◇再生可能エネルギーの導入を推進するためのパートナーシップを強化する◇日本の経済産業省と英国のビジネス・通商省との閣僚級会合の創設――などを柱とする内容。

スナク氏は「日英の防衛分野での協力を強化し、経済をともに成長させ世界をリードする科学技術を育てるものだ」と強調。「インド太平洋地域の平和と安全、自由で公正な貿易などの価値観を守るため、両国が緊密に連携していく」と述べた。

一方、半導体パートナーシップについてスナク氏は、「野心的なR&Dでの協力と技術交流、双方の国内産業の強化、サプライチェーンの強靭化に共同で取り組む」と説明した。

スナク氏はこれに先立ち、都内で日英財界のイベントに出席し、日本企業が英国でクリーンエネルギー分野などに総額177億ポンド(約3兆円)の投資を行う計画を明らかにした。英政府によると、丸紅とパートナー企業が洋上風力を中心に今後10年で約100億ポンド投資するほか、住友商事もイングランド東部サフォークとノーフォーク沖の洋上風力プロジェクトに40億ポンドを投じる。三菱地所と三井不動産は合わせて35億ポンドを投じ、ロンドンで住宅やオフィスビル、研究施設を開発する。