欧州委がUBSのクレディ買収を承認、「競争上の懸念なし」と結論

欧州委員会は25日、スイス金融最大手UBSが同業のクレディ・スイスを買収する計画を無条件で承認したと発表した。救済買収で両行が合併しても、欧州市場で公正な競争が著しく阻害される恐れはないと判断した。

UBSは3月、経営危機に陥ったクレディ・スイスを約30億スイスフラン(約4,655億円)相当の全額株式交換で買収することで合意した。クレディ・スイスの破綻がスイス発の金融危機につながりかねないとの懸念が強まる中、スイス政府や金融当局が仲介する形で交渉が成立。両行は4月26日付で欧州委に買収計画を正式に通知し、同委が予備審査を進めていた。

欧州委は声明で、両行は欧州経済地域(EEAにおいて)投資銀行や資産運用、富裕層向け資産管理など複数の事業部門で重複があるものの、買収が成立しても「引き続きライバルとの激しい競争にさらされる」と指摘。両行の取引によって「競争上の懸念が生じることはない」と結論付けた。

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