EUの欧州委員会は20日、加盟国に対してEU予算への拠出を増やすよう要請した。長期予算(対象期間2021~27年)がコロナ禍対策、ウクライナ支援などで不足しているためで、追加拠出によって660億ユーロの上積みを目指す。
EUは現行の長期予算が編成されてから、コロナ復興基金(正式名称:次世代EU)の創設、ロシアの軍事侵攻を受けるウクライナへの支援などで支出が急増した。特にコロナ復興基金が借り入れた8,000億ユーロの利払いが、欧州中央銀行(ECB)による利上げの影響で倍増し、予算を圧迫している。
欧州委はこのままではウクライナ支援や新技術開発への投資などが継続できなくなるとして、加盟国に追加拠出を要請した。具体的には各国の企業の利潤の一部を活用することを想定する。実現すれば歳入が24年から年約160億ユーロ増えると見積もっている。