ドイツの自動車大手3社がこのほど、役員人事を相次いで発表した。高級車大手のBMWではノルベルト・ライトホーファー社長(58)が任期終了前に退任し、監査役会長に就任。後任にはハラルド・クリューガー生産担当取締役(49)が就任する。フォルクスワーゲン(VW)グループはBMWのヘルベルト・ディース開発担当取締役(56)が来年10月1日付でVWブランド乗用車部門担当の取締役(同部門社長)に就任。また、独ダイムラー(シュツットガルト)は乗用車部門メルセデス・ベンツ・カーズのオラ・ケレニウス取締役(45)が1月1日付でダイムラーの取締役に就任し、乗用車の世界販売を担当する。
BMWのクリューガー次期社長は1992年の入社で、2008年に取締役(人事担当)に昇格。生産担当取締役には13年に就任した。ライトホーファー社長よりも一回り若いため同社では世代交代が進むことになる。
VWの乗用車部門は現在、利益率が低く、ヴィンターコルン社長(現在はVWブランド乗用車部門社長を兼任)は収益力の強化方針を先ごろ打ち出した。ディース氏を同部門の責任者として招聘したのはコストカッターとしての手腕を買ってのこととみられる。
VWグループのヴィンターコルン社長は現在67歳で、16年末で任期が切れる。ディース氏が経営面で成果を挙げれば、同グループの次期社長に就任する可能性もあるようだ。
一方、ダイムラーのケレニウス氏はディーター・ツェッチェ社長(61)の後継者候補と目されている人物。1993年にダイムラー(当時はダイムラー・ベンツ)に入社した。F1関連の業務、米SUV工場の統括、チューニング子会社メルセデスAMG社長を経て、2013年10月にメルセデス・ベンツ・カーズの販売担当取締役に就任した。