ウクライナのヴァレリー・チャーリー大統領府副長官は12月15日、米石油メジャーのシェブロンが同国のシェールガス開発事業から撤退する見通しであることを明らかにした。内戦で経済が疲弊するウクライナにとって、総額100億米ドルの大型プロジェクトの中止は大きな痛手だ。撤退の理由は不明だが、政府によるエネルギー企業への課税強化などが要因との見方が出ている。
ウクライナ政府は民主化運動が活発化する直前の昨年11月、シェブロンと西部オレスク・ガス田に関する生産分与協定(PSA)を締結した。期間は50年で、最初の2~3年間でシェブロンが探索費として3億5,000万ドルを投資することになっていた。
ウクライナの業界関係者はシェブロンの同事業撤退について、課税問題や原油価格の下落、ウクライナ情勢の不安定化によるリスクが増大、ポーランドやリトアニアの類似する地層における埋蔵量が予想を大きく下回ったことが主因とみている。