欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/1/12

総合 – 欧州経済ニュース

12月のユーロ圏インフレ率、約5年ぶりのマイナスに

この記事の要約

EU統計局ユーロスタットが7日発表したユーロ圏の2014年12月の消費者物価指数(速報値)は前年同月比で0.2%下落し、ついにマイナスとなった。インフレ率がマイナスとなるのは2009年10月以来5年2カ月ぶり。デフレ突入 […]

EU統計局ユーロスタットが7日発表したユーロ圏の2014年12月の消費者物価指数(速報値)は前年同月比で0.2%下落し、ついにマイナスとなった。インフレ率がマイナスとなるのは2009年10月以来5年2カ月ぶり。デフレ突入が一段と現実味を帯びてきたことで、欧州中央銀行(ECB)が量的金融緩和に踏み切るのは確実な情勢となってきた。

消費者物価の下落は、原油安を受けてエネルギー価格の下げ幅が前月の2.6%から6.3%に急拡大したのが理由。前月に0.5%の上昇だった食品・アルコール・たばこも横ばいとなった。価格変動が激しいエネルギー、食品・アルコール・たばこを除いた基礎インフレ率はプラス0.8%と、前月を0.1ポイント上回った。

ユーロ圏ではスペイン、ギリシャが11月時点でインフレ率がマイナスとなっていた。12月の詳細は16日に公表の予定で、国別のデータはないが、ドイツ連邦統計庁が5日発表した速報値(EU基準の速報値)は前年同月比0.1%と、前月の0.5%から大幅に縮小し、約5年ぶりの低水準だった。

ユーロ圏では景気停滞もあって物価下落圧力が強まっており、ECBのドラギ総裁は12月の定例政策理事会後の記者会見で、デフレ回避のため国債を買い取る量的緩和実施の可否を「15年初め」に判断する意向を表明していた。市場ではインフレ率がマイナスとなったことで、22日に開く理事会で量的緩和を決めるとの観測が強まっている。