欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/1/19

EUその他

「モナコ」に商標保護認めず=欧州裁

この記事の要約

モナコ公国が「モナコ」の商標保護をめぐってEUと争っている問題で、欧州一般裁判所は15日、特定の財・サービスについて商標保護は認められないとの判断を示した。 モナコ政府は2010年、世界知的所有権機関(WIPO)から「モ […]

モナコ公国が「モナコ」の商標保護をめぐってEUと争っている問題で、欧州一般裁判所は15日、特定の財・サービスについて商標保護は認められないとの判断を示した。

モナコ政府は2010年、世界知的所有権機関(WIPO)から「モナコ」をEU域内をカバーする国際商標として登録することを認められた。しかし、EUの商標機関である欧州共同体商標意匠庁(OHIM)は2013年、「モナコ」はモナコ公国の領土を表す言葉であり、EUのすべての公用語において当該財・サービスの原産地および目的地を示すものとして理解される記述的性格を持つことを理由に、特定の財・サービス(磁性データキャリア、紙・厚紙製品、印刷物、写真、輸送、観光手配、娯楽、スポーツおよび宿泊)に関する商標保護申請を却下。モナコ側はこれを不服として、欧州一般裁判所に決定の取り消しを求める訴えを起こしていた。

欧州一般裁判所は判決で、「モナコ」はロイヤルファミリーやF1自動車レース、サーカスフェスティバルで世界的に知られる公国の名称であり、「言語背景にかかわらず関連需要者(EU市民)に同様の名称を持つ地理的範囲を確実に喚起する」と指摘。さらに、「モナコ」の記述的性格を認めたOHIMの判断は正しいとして、商標としての「モナコ」は顕著な特徴を欠くとの見解を示した。