欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/2/2

総合 – 欧州経済ニュース

デンマークが通貨防衛に懸命、中銀が再利下げ

この記事の要約

デンマークが通貨クローネの防衛に懸命となっている。中央銀行の国立銀行は1月29日、追加利下げを実施し、主要政策金利である譲渡性預金(CD)金利を0.15ポイント引き下げ、過去最低のマイナス0.5%にすると発表した。ユーロ […]

デンマークが通貨クローネの防衛に懸命となっている。中央銀行の国立銀行は1月29日、追加利下げを実施し、主要政策金利である譲渡性預金(CD)金利を0.15ポイント引き下げ、過去最低のマイナス0.5%にすると発表した。ユーロとのペッグ(連動)制を維持するためで、19日以降で3回目の利下げとなる。さらに中銀と政府は30日、国債発行を一時中止すると発表した。

デンマーク中銀は19日、スイス中銀がスイスフラン高・ユーロ安を抑えるために導入していた為替の無制限介入を放棄したことで、通貨をユーロと厳格に連動させている唯一の国であるデンマークのクローネに買いが集中し、通貨高が進んでいるため、0.15ポイントの利下げを実施。22日には欧州中央銀行(ECB)が初の量的金融緩和の実施を決め、ユーロ安が加速したことを受け、再び0.15ポイントの利下げに踏み切っていた。

同国のペッグ制では、1ユーロ=7.46クローネが目標水準。2.25ポイントの上下を許容範囲内としているが、実際の許容変動幅は約0.5ポイントとなっている。中銀はこれを死守するため、11日間で3日目の利下げを決めた。新金利は30日に適用された。

国債発行の中止は、国債の流通量を減らすことで価格の引き上げ、利回り低下を誘導し、長期金利を下げることでクローネの需要を縮小させ、通貨上昇を抑えるのが狙いで、異例の措置となる。