欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/2/9

EUその他

ノルウェーが30年までに温室ガス40%削減、EUに追随

この記事の要約

ノルウェー政府は4日、温室効果ガスの排出量を2030年までに1990年比で40%削減することを目指すと発表した。EUは昨年、同様の目標で合意しており、非加盟国であるノルウェーも足並みを揃えた格好だ。 ノルウェーの温室効果 […]

ノルウェー政府は4日、温室効果ガスの排出量を2030年までに1990年比で40%削減することを目指すと発表した。EUは昨年、同様の目標で合意しており、非加盟国であるノルウェーも足並みを揃えた格好だ。

ノルウェーの温室効果ガス排出量は2013年に1990年比3.7%増と、EUの平均を上回った。ソルベルグ首相は記者会見で、「ノルウェーは低排出社会になる必要がある」と強調。12月にパリで開催される国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)に向けた交渉で、「ノルウェーと世界は低排出社会の実現に向け新しい大胆な対策を講じる必要がある」と語った。

ノルウェーはEUの排出量取引制度(EU-ETS)に参加しており、同国が排出する温室効果ガスのおよそ半分が同システムによってカバーされている。政府は将来的にEU-ETSの対象外となっている運輸、農業、廃棄物などの分野でも、EUとの連携を進めたい考えだ。イエンセン財務相は、「EUとの共同達成より効率的な気候変動対策を可能にし、ノルウェー企業にとってより予見可能な環境を提供する」と述べた。

ノルウェーは温室効果ガスの排出削減を京都議定書のクリーン開発メカニズム(CDM)その他の柔軟性措置に大きく依存しており、2012年には2,150万トンの国連認証排出権を購入した。環境コンサルタントのラーン氏は、同国が京都議定書の約束期間が終了する20年以降を見据えた対策に力を入れるべきだと指摘するとともに、EU加盟国と比べ化石燃料セクターの比重が高い同国にとって、40%削減という目標の達成はより困難になるとの見方を示している。