欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/2/16

総合 – 欧州経済ニュース

ユーロ圏GDP、10~12月期は0.3%増

この記事の要約

EU統計局ユーロスタットが13日発表したユーロ圏(リトアニアを除く17カ国)の2014年10~12月期の域内総生産(GDP、速報値)は実質ベースで前期比0.3%増となり、伸び率は前期の0.2%を上回った。原油価格の下落、 […]

EU統計局ユーロスタットが13日発表したユーロ圏(リトアニアを除く17カ国)の2014年10~12月期の域内総生産(GDP、速報値)は実質ベースで前期比0.3%増となり、伸び率は前期の0.2%を上回った。原油価格の下落、ユーロ安が追い風となり、予想を超える成長となった。とくにドイツが大幅に伸び、圏内のGDPを押し上げた。(表参照)

前年同期比の成長率は0.9%で、前期から0.1ポイント拡大。14年通期では0.9%増となり、欧州委員会が先ごろ発表した最新予測の0.8%を上回った。EU28カ国ベースの成長率は前期比0.4%、前年同期比1.3%だった。

GDPの詳細はまとまっていないが、ユーロ圏では原油安が個人消費を刺激し、ユーロ安が輸出を押し上げていることで、景気が改善したもよう。欧州中央銀行(ECB)がデフレ回避のため実施している金融緩和も効果を徐々に生んでいると目されている。

今回の速報値は、これまでにデータが出そろった21カ国の統計に基づいて算出された。前期比のGDPを国別にみると、ユーロ圏最大の経済国であるドイツは0.7%増。経済を支える輸出がユーロ安効果で好調だったほか、個人消費も伸び、上げ幅は前期の0.1%から大きく拡大した。スペインも0.7%増と、前期を0.2ポイント上回る伸びとなった。

一方、フランスは0.1%増となったが、0.3%増から減速。前期にマイナス0.1%だったイタリアはゼロ成長にとどまった。また、3期連続でプラス成長を維持していたギリシャは0.2%減となり、再びマイナス成長に落ち込んだ。

ユーロ圏経済は同期に復調したものの、成長率は米国の前期比0.7%を大きく下回る。ギリシャの政権交代で債務危機再燃の懸念もくすぶっている。ただ、市場ではECBが国債を買い取る本格的な量的金融緩和を3月に開始することなどから、回復が加速するとの見方が出ている。