欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/2/16

総合 – 欧州経済ニュース

スウェーデンが量的緩和、金利もマイナスに

この記事の要約

スウェーデン中央銀行は12日、政策金利のレポ金利を0.1ポイント引き下げ、過去最低のマイナス0.1%にすると発表した。デフレ回避が目的で、国債を買い取る量的金融緩和の実施も打ち出した。 スウェーデンの金利引き下げは、昨年 […]

スウェーデン中央銀行は12日、政策金利のレポ金利を0.1ポイント引き下げ、過去最低のマイナス0.1%にすると発表した。デフレ回避が目的で、国債を買い取る量的金融緩和の実施も打ち出した。

スウェーデンの金利引き下げは、昨年10月に0.1ポイントの利下げを実施し、ゼロ金利として以来。マイナス金利は初となる。

国債の買い取り規模は100億クローナ(約10億4,000億ユーロ)。期間1~5年の国債が対象で、近く実施するとしている。1月に量的金融緩和を発表した欧州中央銀行(ECB)に追随する形となる。

欧州ではスイスが通貨高対策としてマイナス金利を導入済み。デンマークもECBの量的緩和で通貨クローネが対ユーロで上昇するのを防ぐため、1月から4度にわたって利下げを実施し、マイナス0.75%まで引き下げている。

スウェーデンは経済が堅調だが、物価が上がりにくい状況が続いており、デフレ懸念が強まっている。中銀は今回の金融緩和で投資、消費を活発化させ、インフレ率を目標水準の2%程度まで押し上げたい考えだ。ただ、国債買い取り額は国内総生産(GDP)比0.3%と、ECBの量的緩和(資産担保証券、担保付き債券買い取りを含む)の同10%を大きく下回る水準で、大きな効果は期待できないとの声が出ており、中銀は必要に応じて緩和策を拡大する意向を表明した。