スイス最大手銀行のUBSが10日発表した2014年12月通期決算の純利益は35億7,000万スイスフラン(約34億1,000万ユーロ)となり、前期から12.6%増加した。ただ、同行は今後の見通しについて、スイス中銀の通貨防衛放棄によって厳しい状況に直面するとして、警戒感を強めている。
営業利益は1%増の280億スイスフラン。10~12月期の純利益は前年同期比26%増の9億6,300万スイスフランだった。
スイス中銀の国立銀行(SNB)は1月、スイスフラン高を阻止するために行ってきた無制限のユーロ買い政策を中止すると発表した。UBSは声明で、これによってスイスフランは対ユーロで上昇圧力が強まっているほか、市中銀行がSNBに預ける要求払い預金にマイナス金利が適用されていることで、収益が圧迫されるとの見通しを示した。