欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/2/23

EUその他

独ZF、TRW買収で欧州委に譲歩案提示

この記事の要約

独自動車部品大手のZFフリードリヒスハーフェンによる米同業TRWオートモーティブの買収計画を競争法に基づき審査している欧州委員会は20日、ZFから買収計画の譲歩案の提示があったと発表した。譲歩案の内容は明らかにされていな […]

独自動車部品大手のZFフリードリヒスハーフェンによる米同業TRWオートモーティブの買収計画を競争法に基づき審査している欧州委員会は20日、ZFから買収計画の譲歩案の提示があったと発表した。譲歩案の内容は明らかにされていない。欧州委はこれを受けて審査期間を延長し、同買収についての判断を来月12日までに下す。

ZFは昨年9月にTRWを買収することで合意した。TRWを傘下に収めることで、ZFは売上高が170億ユーロから約300億ユーロに拡大し、世界最大級の自動車部品メーカーとなる。ZFはTRWの買収に伴う競争法上の懸念を解消するため、独同業ボッシュとの合弁会社ZFレンクシステムの持分をボッシュに譲渡した。

TRWはエアバッグ、シートベルト、運転アシストシステムなどの有力メーカーで、従業員数は6万5,000人。売上高は128億ユーロで、北米と欧州がそれぞれ40%を占める。

ZFはトランスミッションの有力メーカーで、ドイツの自動車部品業界ではボッシュ、コンチネンタルに次ぐ3位に付ける。アジア、北米事業の強化を通して2025年までに売上高を13年の168億ユーロから400億ユーロに拡大する目標を掲げる。TRWを買収すると、北米事業を大幅に強化するほか、新たな製品分野も獲得できる。