欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/3/2

EU産業・貿易

ユーロ圏、1月の民間向け融資0.1%減

この記事の要約

欧州中央銀行(ECB)が2月26日発表した1月のマネーサプライ統計によると、ユーロ圏の民間向け銀行融資は前年同月比0.1%減となったが、昨年12月の0.5%減と比べると減少ペースが鈍化した。融資は2012年5月以降、前年 […]

欧州中央銀行(ECB)が2月26日発表した1月のマネーサプライ統計によると、ユーロ圏の民間向け銀行融資は前年同月比0.1%減となったが、昨年12月の0.5%減と比べると減少ペースが鈍化した。融資は2012年5月以降、前年割れが続いている。

1月のマネーサプライM3(季節調整済み)は、前年同月比で4.1%増加。伸び率は前月の3.8%を上回った。M3は将来のインフレを測る指標とされている。独大手銀行バイエルンLBのエコノミスト、マイアー氏は、「最新のデータはユーロ圏にわずかながら景気回復の勢いが出てきているという見方を支えるものだ」と述べている。

欧州委員会が26日発表した2月のユーロ圏景況感指数は102.1と2カ月連続で改善した。ユーロ圏経済をけん引するドイツの力強い成長やECBによる量的緩和計画が景況感改善に寄与した。ドイツでは消費者信頼感指数の3月向け予測値は9.7となり、2001年10月以来の高水準を記録。フランスでも2月の消費者信頼感指数が2012年5月以降で最高を記録し、イタリアも大きな伸びを示すなど、ユーロ圏景気の先行き改善を示唆する経済指標が発表されている。独大手投資銀行のベレンバーグバンクのアナリスト、ウッド氏は、「ユーロ圏は夏までに成長基調に復帰すると見ているが、ウクライナ東部の紛争やギリシャの混乱が続いていることから第1四半期は警戒姿勢を維持する」と語った。