欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/3/9

西欧

NTTコム、独最大のデータセンター会社を買収

この記事の要約

NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は3日、ドイツ最大のデータセンター運営会社イーシェルターを買収することで合意したと発表した。これによって同社が欧州で展開するデータセンターのサーバールームの面積は1万9,500平方 […]

NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は3日、ドイツ最大のデータセンター運営会社イーシェルターを買収することで合意したと発表した。これによって同社が欧州で展開するデータセンターのサーバールームの面積は1万9,500平方メートルから9万2,000平方メートルに拡大し、欧州3位の規模となる。

NTTコムはイーシェルターの株式86.7%を取得することで合意し、2日に契約を締結した。買収額は明らかにしていないが、英フィナンシャル・タイムズは7億4,200万ユーロと報じている。

イーシェルターは欧州有数のデータセンター事業者で、フランクフルト、ベルリン、ミュンヘン、ハンブルクとウイーン、チューリヒの計6都市でデータセンターを運営している。サーバールーム面積は約7万2,500平方メートルに上る。

NTTコムは子会社ジャイロンを通じて、英ロンドンと周辺地域で計1万8,000平方メートル規模のデータセンターを展開。欧州大陸ではフランクフルト、パリ、マドリードに拠点があるが、サーバールーム面積は250~800平方メートルと小規模にとどまっている。イーシェルターの買収によって拠点が4都市から9都市に拡大し、大陸部でも高品質なクラウド・データセンターサービスなどの需要増大に対応できる大規模なデータセンターを確保できる。

同社は声明で、米IT市場調査会社ガートナーが欧州データセンター市場は年平均9%程度のペースで拡大すると予測していることに言及し、需要が堅調な欧州での事業拡大に向けて買収に踏み切ったと説明している。