米自動車大手のゼネラル・モーターズ(GM)は18日、ロシア事業を大幅に縮小すると発表した。欧米の対ロ制裁を受けて現地通貨ルーブルの価値が急落し、自動車の需要が大きく落ち込んでいるためで、サンクトペテルブルク工場の操業を停止し、独子会社オペルがロシア市場から撤退する。
GMはロシア自動車市場の回復は当面見込めないとして、事業縮小を決めた。サンクトペテルブルク工場を今年半ばに閉鎖し、オペルのロシア販売を年末に打ち切る。これによって同国での販売を高級ブランドのキャデラックと、シボレーの高級車(「コルベット」「カマロ」「タホ」など)に絞り込む。
GMはロシアでオペル、シボレー、キャデラックの3ブランドを展開している。昨年の販売実績はオペルが前年比20%減の6万4,985台、シボレーが29%減の12万3,175台、キャデラックが12%減の1,324台。今年2月のオペルの販売台数は前年同月比86%減の912台と大きく落ち込んでいた。
一方、日産自動車は17日、ロシアでの販売不振を受けて、サンクトペテルブルク工場の操業を停止したと発表した。期間は16日から31日までの16日間。時限雇用契約の更新を見合わせ、求人活動を中止することで雇用を調整する。
サンクトペテルブルク工場では、「Xトレイル」、「ムラーノ」、「ティアナ」、「パスファインダー」のほか、グループ会社アフトワズのモデルも生産している。日産は同工場の年産台数を最終的に10万台まで引き上げる計画で、今回の操業停止に当たっても、長期的にロシアが重要市場の1つであることに変わりがないとの立場を示した。