欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/3/30

EU産業・貿易

EUの危険製品通報が増加、中国製品が6割占める

この記事の要約

欧州委員会は23日、EU域内で流通する危険な製品の通報システム「RAPEX(ラペックス)」の2014年度版報告書を公表した。これによると、昨年の通報件数は前年比3%増の2,435件で、中国で生産された製品が6割を占めた。 […]

欧州委員会は23日、EU域内で流通する危険な製品の通報システム「RAPEX(ラペックス)」の2014年度版報告書を公表した。これによると、昨年の通報件数は前年比3%増の2,435件で、中国で生産された製品が6割を占めた。

製品別ではおもちゃが28%と最も高い割合を占め、衣服が23%、電化製品が9%、自動車が8%、子ども用品が3%、照明器具が3%で続いた。具体例としては、肌に刺激を与える六価クロムを含有する皮革製品、プラスチック軟化剤が使用されたおもちゃや子ども用品、重金属が残留した宝飾品などがあげられている。製造国別で見ると中国(香港を含む)が64%で最も多く、欧州が14%、その他が12%、不明が7%、トルコが3%だった。

欧州委のヨウロバー委員(法務・消費者・男女平等担当)は、「母親、そして祖母として、おもちゃの中に有害な製品が多数あるのは憂慮すべきことだと考えている。子どもに与えるおもちゃには十分に気をつけてほしい」と呼び掛けるとともに、「中国から欧州市場にこれほど多くの危険な製品が入ってきているのは驚きだ」と述べ、中国側と協力して、中国メーカーにEUの安全基準に対する理解を深めてもらうための取り組みを進めていることを明らかにした。

ラペックスは食品以外の危険な製品に関する迅速な情報交換を目的に04年に導入された。EU加盟28カ国と、ノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタインが参加している。