欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/4/13

西欧

スイスのBSI銀が米司法省と和解、脱税ほう助問題で

この記事の要約

米司法省は3月30日、スイスのプライベートバンク大手BSIが米国人顧客の脱税をほう助したことを認め、2億1,100万ドルの罰金を支払うことに同意したと発表した。スイスの銀行を対象とする和解手続き適用の第1号となる。 米司 […]

米司法省は3月30日、スイスのプライベートバンク大手BSIが米国人顧客の脱税をほう助したことを認め、2億1,100万ドルの罰金を支払うことに同意したと発表した。スイスの銀行を対象とする和解手続き適用の第1号となる。

米司法省は2013年、スイスの銀行が捜査開始に先立って脱税ほう助を自発的に認めれば、訴追を免除する制度を導入した。BSIは同制度に基づき、脱税ほう助を認めて罰金を支払うと同時に、対象顧客の情報を提供して捜査に協力することに合意し、訴追を逃れた。

司法省によると、BSIは2008年から13年にかけて、米国の顧客に約3,000件に上る秘密口座を提供し、脱税をほう助していた。

スイスの銀行ではクレディ・スイスが昨年5月、脱税ほう助を認めて約26億ドルの罰金支払いに応じたが、同ケースでは捜査が開始されていたため、新制度の適用はBSIが初となる。司法省は今後数カ月以内にスイスの60~70行が同制度に基づく和解に踏み切るとの見方を示している。

BSIは伊保険大手ゼネラリの子会社。超富裕層を主な対象にプライベートバンキング事業を展開している。ゼネラリは昨年7月、同行をブラジルの投資銀行BTGパクチュアルに15億スイスフラン(約14億3,000万ユーロ)で売却することで合意しており、今回の和解で売却手続きが進むとみられている。