欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/4/20

総合 – 欧州経済ニュース

欧州中銀、量的緩和を予定通り継続=ドラギ総裁

この記事の要約

欧州中央銀行(ECB)は15日に開いた定例政策理事会で、ユーロ圏に適用される最重要政策金利を過去最低となる現行の0.05%に据え置くことを決めた。金利据え置きは6カ月連続。一方、ドラギ総裁は記者会見で、ユーロ参加国の国債 […]

欧州中央銀行(ECB)は15日に開いた定例政策理事会で、ユーロ圏に適用される最重要政策金利を過去最低となる現行の0.05%に据え置くことを決めた。金利据え置きは6カ月連続。一方、ドラギ総裁は記者会見で、ユーロ参加国の国債などを買い取る量的金融緩和を予定通り継続することを言明した。

ECBはデフレ回避、景気対策として、ユーロ圏の国債などを買い取る量的緩和策を1月に決定。3月から開始している。買い取り規模は、EUの機関が発行する債券や先行して実施している資産担保証券(ABS)、担保付き債券(カバードボンド)を含めて総額1兆1,000億ユーロ。毎月600億ユーロを買い入れる。

量的緩和はユーロ圏のインフレ率を2%前後まで引き上げるのが目的で、16年9月まで続ける予定だ。しかし、同措置にはユーロ圏の主要国であるドイツが反対していたほか、インフレ率の下落に歯止めがかかっている(後続記事参照)ことなどから、市場ではECBが予定より早く終了するとの観測が浮上している。

これに関してドラギ総裁は理事会後の記者会見で、量的緩和によって金融市場の環境は好転し、企業の資金調達コストが低下しているとして、「量的緩和が有効であるのは明らかだ」と指摘。早期終了の観測が出ていることに「驚いた」と述べ、同措置を計画通りに進めていく意向を表明した。