工作機械のDMG森精機は17日、資本・業務提携している独DMG Mori Seiki(旧ギルデマイスター)の買収に成功したと発表した。13日に終了した株式公開買い付け(TOB)と、TOB計画公表後の個別売買を通じて株式28.21%を確保。出資比率を従来の24.33%から52.54%に引き上げる。
森精機は1月、DMG Mori Seikiに対するTOB計画を発表した。買い取り価格を当初、1株当たり27.5ユーロとしていたが、その後2度引き上げて30.55ユーロに変更。TOBの成立条件も議決権比率で50%プラス1株の確保とした当初の方針を40%に引き下げた。
今回の買収ではTOB計画の発表後、米ヘッジファンドのエリオットがDMG Mori Seiki株を大量に買い漁り、計10.11%を取得した。エリオットはTOBの対象となった企業の株式を取得して、TOBを実施した企業に高く買い取らせるという事業モデルで有名な投資会社。森精機がDMG Mori Seiki株50.81%を確保したことが明らかになった3月末以降も買い増しており、森精機に対し今後、何らかの働きかけを行う可能性がある。