欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/5/11

EUその他

独高速道路「アウトバーン」有料化、16年から実施

この記事の要約

ドイツ連邦参議院(上院)は8日、高速道路「アウトバーン」を有料化する法案を承認した。連邦議会(下院)は3月に可決しており、同法は成立した。2016年から料金の徴収を開始する予定だ。 ドイツ国内の自動車所有者は、アウトバー […]

ドイツ連邦参議院(上院)は8日、高速道路「アウトバーン」を有料化する法案を承認した。連邦議会(下院)は3月に可決しており、同法は成立した。2016年から料金の徴収を開始する予定だ。

ドイツ国内の自動車所有者は、アウトバーンと一般道路の年間利用料金を事前に支払って通行証を購入する。料金は最高130ユーロで、車両のエンジン排気量および排出ガス量によって変動する。ただし、自動車税の減税によって負担は相殺される。一方、国外で登録された自動車やオートバイを運転するドライバーにはアウトバーンに限定した通行証の購入を求める。通行証の有効期間は10日、2カ月、1年の三種類があり、インターネットやガソリンスタンドで購入することができる。

政府はアウトバーン有料化によって年間5億ユーロの通行料収入を見込んでおり、インフラ整備の財源に充てる考え。ただ、今回成立した法律をめぐっては、ドイツ国内の自動車所有者が減税によって負担を相殺され、実質的に国外からの利用者のみに負担を課す内容であることから、利用者の居住地によって異なる扱いをすることを禁じたEU法に違反する疑いがあるとして、欧州委員会が調査に乗り出す意向を示している。