欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/6/1

西欧

アイルランド政府、IAGのエアリンガス買収を容認

この記事の要約

アイルランドの航空会社エア・リンガスの大株主であるアイルランド政府は5月26日、英ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)とスペインのイベリア航空の親会社であるインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)による同社の […]

アイルランドの航空会社エア・リンガスの大株主であるアイルランド政府は5月26日、英ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)とスペインのイベリア航空の親会社であるインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)による同社の買収を受け入れると発表した。当初は買収に難色を示していたが、IAGが要求をのんだことから容認に転じた。

IAGは昨年12月、エア・リンガスに買収を提案。エア・リンガスは拒否していたが、1月に買収条件が引き上げられたことから条件付きで同意した。1株当たりの買い取り価格は2.55ユーロで、エア・リンガスの価値を13億5,000万ユーロと評価した格好となる。

エア・リンガスが買収受け入れの条件としているのは、大株主であるアイルランド政府(出資比率25%)と同国の格安航空大手ライアンエアー(同29.8%)の同意。アイルランドの運輸省によると、IAGが政府の求めに応じて、エア・リンガスのブランド名を維持することや、エア・リンガスが少なくとも7年間は主要路線の英ヒースロー空港発着のダブリン線を運営し、エア・リンガスの雇用を拡大することなどを約束ことから、アイルランドの経済、観光業にとって有益として、保有する株式25%の売却に応じることを決めた。議会は28日に売却を承認した。

これによって同買収は実現に向けて大きく前進したが、なお筆頭株主であるライアンエアーの同意が必要となる。ライアンエアーはこれまでのところ態度を明確に示していない。