ポルトガル中央銀行は6月30日、国内大手銀行バンコ・エスピリト・サント(BES)の経営破綻を受けて設立された新銀行ノボバンコの売却入札に3社が応札したことを明らかにした。3社の具体名は不明だが、ロイター通信は中国のコングロマリット(複合企業)復星国際と保険大手の安邦保険、米投資会社アポロ・グローバル・マネジメントと報じている。
ノボバンコはポルトガル政府がBES救済のため、同行の優良資産を引き継いで昨年8月に発足させた新銀行。国内銀行市場で18%のシェアを持ち、資産額で3位の銀行だ。
政府は銀行救済基金を通じてノボバンコに注入した49億ユーロの公的資金を回収するため、民間に売却することを決定。中銀はスペイン大手銀行のバンコ・サンタンデール、米投資会社サーベラス・キャピタル・マネジメントにも入札招請書を送っていたが、同2社は応札を見送ったとみられる。
中銀は3社が提示した買収条件を精査し、数週間以内に売却先を決める見通しだ。