欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/7/20

EU情報

IAGのエアリンガス買収、欧州委が承認

この記事の要約

欧州委員会は14日、英ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)とスペインのイベリア航空の親会社であるインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)がアイルランドの航空会社エア・リンガスを買収する計画を承認したと発表した […]

欧州委員会は14日、英ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)とスペインのイベリア航空の親会社であるインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)がアイルランドの航空会社エア・リンガスを買収する計画を承認したと発表した。IAGは条件として、一部の路線から手を引くことなどを求められる。

IAGは昨年12月、エア・リンガスに買収を提案。エア・リンガスは拒否していたが、1月に買収条件が引き上げられたことから同意していた。1株当たりの買い取り価格は2.55ユーロで、エア・リンガスの価値を13億5,000万ユーロと評価した格好となる。IAGは買収によって、エア・リンガスが保有するロンドンのヒースロー空港の乗り入れ枠を確保するほか、BAとイベリア航空が加わる航空会社連合「ワン・ワールド」をエア・リンガス加盟によって拡大できる。

同買収をめぐっては、IAGのヒースロー空港の発着枠拡大などによって競争が阻害される懸念などがあることから、欧州委が慎重に審査を進めていた。IAGは買収認可を取り付けるため、同社が保有するロンドンのガトリック空港とアイルランドのダブリン、ベルファストを結ぶ便の発着枠(週5便)を手放し、他社が同路線に参入できるようにすることや、他社が英、オランダ、アイルランドを拠点に運航する長距離便の接続便をエア・リンガスが引き続き運航することを提案。欧州委はその実施を条件に買収を承認した。

エア・リンガス買収は、同社の大株主であるアイルランド政府とライアンエアーが受け入れを決めており、欧州委の承認が最後の障害となっていた。