アイルランド製薬大手のシャイアーは4日、米同業バクスアルタに買収を提案したことを明らかにした。希少病治療薬の強化が狙いで、買収額は約300億ドルに上る。バクスアルタは買収拒否を表明している。
シャイアーは7月10日に買収を提案した。全株式を1株当たり45.23ドルで買い取る。同価格は3日の終値に36%を上乗せした水準だが、バクスアルタは同社の価値を過小評価しているとして、4日に拒否を発表した。
バクスアルタは米製薬大手バクスターのバイオ医薬品部門から分離して7月1日に発足した企業。血友病など希少病の医薬品に特化している。2014年の売上高は約60億ドルだった。
シャイアーは高価格で収益力が大きい希少病医薬品部門の強化に力を入れており、同分野に強みを持つ米NPSファーマシューティカルズを52億ドルで買収することで1月に合意していた。