スポーツ用品大手の独アディダスは5日、フィットネスアプリの開発を手がけるオーストリアのランタスティックを2億2,000万ユーロで買収したと発表した。アプリを積極的に活用するスポーツ愛好家やアスリートが増えていることに対応する。競合の米ナイキやアンダーアーマーは同分野で先行しており、アディダスは追撃する考えだ。
アディダスはランタスティックの株式50.1%を独メディア大手のアクセル・シュプリンガー、49.9%を創業者などから譲り受ける。シュプリンガーが同50.1%を2013年に取得した際、ランタスティックの時価は2,200万ユーロにとどまっており、この約3年間で10倍に拡大したことになる。
ランタスティックは2009年設立のスタートアップ企業で、走行距離やテンポ、脈拍などのデータ管理、腕立て伏せ、栄養クイズなど計20以上のアプリを18言語で提供している。ダウンロード件数はすでに1億4,000万件を超え、7,000万人以上のユーザーが登録している。
アディダスは今回の買収により潜在顧客に直接アクセスできるようになる。