欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/8/31

西欧

米モンサント、シンジェンタ買収を断念

この記事の要約

農業化学大手の米モンサントは26日、スイス同業シンジェンタの買収を断念すると発表した。買収額を引き上げたが、シンジェンタが拒否の姿勢を崩さなかったことから実現は不可能と判断し、買収提案を取り下げた。 種子事業で世界最大手 […]

農業化学大手の米モンサントは26日、スイス同業シンジェンタの買収を断念すると発表した。買収額を引き上げたが、シンジェンタが拒否の姿勢を崩さなかったことから実現は不可能と判断し、買収提案を取り下げた。

種子事業で世界最大手のモンサントは4月、シンジェンタに約450億ドルでの買収を提案した。シンジェンタが強みを持つ農薬事業の強化などが狙いだ。買収は現金と株式交換を組み合わせた形で、1株当たりの買い取り価格は449スイスフラン(約416ユーロ)となっていた。

これに対してシンジェンタは、事業の先行きは極めて良好で、買収額は同社の価値を著しく過小評価しているとして反発。農業化学の大手2社の統合が各国当局から認可されない恐れがある点も問題視し、拒否していた。

モンサントは18日に示した新提案で、買収額を1株470スイスフランに引き上げたほか、現金部分も当初の提案の45%から52%に拡大し、買収が認可されなかった場合にシンジェンタに支払う補償金を20億ドルから30億ドルに増額した。しかし、シンジェンタ側の態度が変わらなかったため、買収を断念した。