欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/10/19

EU情報

EU制度改革案の詳細、11月に提示=英首相

この記事の要約

EU残留の是非を問う国民投票の実施を控える英国のキャメロン首相は15日、政府が残留を取り付けるため求めているEUの制度改革について、詳細な改革案を11月初めに提示する意向を表明した。 キャメロン首相は移民流入急増などを受 […]

EU残留の是非を問う国民投票の実施を控える英国のキャメロン首相は15日、政府が残留を取り付けるため求めているEUの制度改革について、詳細な改革案を11月初めに提示する意向を表明した。

キャメロン首相は移民流入急増などを受けて高まっている国内の反EU勢力の不満を抑えるため、EU離脱の是非を問う国民投票の実施を公約に掲げて5月の総選挙に臨み、再選を果たした。国民投票は2017年末までに実施される。

首相自身はEU残留を望んでおり、国民投票までに英国が求める制度改革をEUに認めさせ、国民の不満を吸収した上で残留を取り付けるという戦略を描いている。改革には◇EUからの移民に対する社会保障給付の制限◇英で就労できない移民に退去を命じる権限の確保◇EU統合の深化から英国が除外される権利の確保◇英などユーロに参加しない加盟国が経済統合で不利にならないようにする――などが含まれる。

ただ、これらの改革の詳細は固まっておらず、他の加盟国の間では早く提示されなければ12月17~18日のEU首脳会議での協議に間に合わないとして不満の声が出ていた。11月初めの提示は、キャメロン首相が欧州委員会のユンケル委員長と会談した後に記者団に明らかにしたもの。EUのトゥスク大統領(欧州理事会常任議長)に宛てた書簡の形で提出するとしている。