欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/5/19

EUその他

グーグルの検索サービスめぐり400社が意見書、欧州委に調査継続を要求

この記事の要約

欧州に拠点を置く約400社のメディアやインターネット関連企業が構成する「オープン・インターネット・プロジェクト(OIP)」は15日、欧州委員会に対し、米グーグルの検索サービスに関する調査の継続を求める意見書を提出した。欧 […]

欧州に拠点を置く約400社のメディアやインターネット関連企業が構成する「オープン・インターネット・プロジェクト(OIP)」は15日、欧州委員会に対し、米グーグルの検索サービスに関する調査の継続を求める意見書を提出した。欧州委は今年2月、グーグルが提示した改善策を受け入れて同社に対する調査を打ち切る方針を打ち出し、現在、競合企業などの利害関係者から意見を聞いている段階。OIPはグーグルが検索市場における圧倒的なシェアを背景に、競合他社を差別しているとの懸念は未だに払拭されていないと主張し、欧州委に同社との和解に応じないよう強く求めている。

欧州委はグーグルが欧州の検索市場における独占的地位を乱用し、ネット検索機能で自社関連のサービスをライバル社よりも優先的に表示していると主張する競合他社からの訴えを受け、2010年11月に調査を開始。12年3月にグーグルが競争法に違反しているとの初期判断を示した。グーグルは巨額の制裁金を回避するため、昨年末までに3回にわたり欧州委に改善策を提示。新たに検索結果で競合企業のロゴやリンクのサイトを目立たせるなどの是正策を打ち出し、欧州委は最終的にこれを受け入れてグーグルと和解する方針を固めた。

独新聞最大手アクセル・シュプリンガーや仏出版大手ラガルデールなどが主導するOIPは声明で、「欧州委はグーグルの圧力に屈して同社と和解しようとしている。欧州の消費者とデジタルサービスを提供する起業家は、検索機能を操作して自社のサービスやコンテンツを優先させるグーグルの行為を禁止するよう要求する」と表明。欧州委に対し、グーグルの反競争的行為をさらに詳しく分析することや、グーグルに検索アルゴリズムの変更をすべて公開するよう命じることなどを要求している。

欧州委は今回の動きについてコメントを控えているが、アルムニア委員(競争政策担当)は15日に開かれた会議でグーグルとの和解に言及。「(調査の打ち切りを決めた)自分の意見に確信を持っている。夏の休暇シーズンが終わって数週間のうちに問題をすべて解決することが可能だと考えている」と述べ、欧州委の任期が終了する10月末までに決着させたい意向を示した。