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2014/5/19

西欧

ファイザー、アストラゼネカ買収額を引き上げ

この記事の要約

米製薬最大手ファイザーは18日、買収に乗り出している英同業アストラゼネカに新たな買収案を提示したと発表した。買収額を15%引き上げ、総額約693億ポンド(約11兆8,400億円)とする。これによって、買収を拒否しているア […]

米製薬最大手ファイザーは18日、買収に乗り出している英同業アストラゼネカに新たな買収案を提示したと発表した。買収額を15%引き上げ、総額約693億ポンド(約11兆8,400億円)とする。これによって、買収を拒否しているアストラゼネカから同意を取り付けることを目指す。

ファイザーは4月、アストラゼネカに総額588億ポンドでの買収を提案したが、買収額が低すぎるとして拒否された。これを受けて今月2日に631億ポンドへの増額を発表したが、アストラゼネカは受け入れず、交渉に応じない姿勢を堅持していた。

ファイザーはアストラゼネカ株主に現金を支払うほか、買収で誕生する新会社の株式を割り当てる形での買収を目指している。新提案では、株主は1株につき現金24.76ポンドと、新会社の株式1.747株を受け取る。従来の提案と比べて現金部分を32%から45%に拡大した。1株当たりの買い取り価格は15%上積みされたことになる。

ファイザーは声明で、アストラゼネカが新提案も拒否する見通しであることを明らかにした上で、これが最終案と言明。期限の26日までにアストラゼネカが受け入れに転じなければ、買収を断念する意向を表明した。同社は新提案がアストラゼネカ株主に「最大の利益」をもたらすとして、株主がアストラゼネカ経営陣に受け入れを迫ることで買収を実現させたい考えを示した。