2014/5/26

総合 – 欧州経済ニュース

欧州議会選で反EU派躍進、仏・英などで1位に

この記事の要約

EU28カ国で22~25日に実施された欧州議会選挙(定数751)の開票が25日に始まった。欧州議会の最新集計(26日9時50分現在)では中道右派の欧州人民党(EPP)が得票率28.23%と1位で、最大会派の座を維持する見 […]

EU28カ国で22~25日に実施された欧州議会選挙(定数751)の開票が25日に始まった。欧州議会の最新集計(26日9時50分現在)では中道右派の欧州人民党(EPP)が得票率28.23%と1位で、最大会派の座を維持する見通し。欧州社会党が24.9%で、引き続き第2会派となる。一方、反EU政党や、移民排斥などを唱える極右政党が仏、英、ギリシャ、デンマークなどで1位になるなど躍進し、140議席程度を確保しそうな勢いだ。

主要会派の推定議席数は、EPPが212(改選前274)、欧州社会党が187(同196)、リベラル系・欧州自由民主連盟が72議席(同83)、緑の党・欧州自由連盟が55(同57)などとなっている。

反EU、極右政党の躍進は、ユーロ圏の債務危機の長期化などで経済が悪化し、失業率が高水準にあることで、既存政党への不満が急速に高まったのが主因。フランスではルペン党首率いる極右・国民戦線が得票率25%で1位となり、フランスに割り当てられる74議席のうち22議席を確保する見通しだ。与党・社会党の得票は14%と、前回の16.5%を割り込み、最大野党の国民運動連合(UMP)の21%に及ばす、3位に転落した。

英国では反EUの独立党(UKIP)が開票率約50%の時点で得票率が29%で、労働党、保守党の24%を上回り、国内の総選挙を含めて過去100年間で初めて1位となった。議席数は半分が確定した時点で23議席と、前回から10議席増えた。

さらにギリシャでも、EUから指示された財政改善のための緊縮策に反対する急進左派連合(SYRIZA)の得票が26.5%と、与党・新民主主義党の23.3%を超え、1位となった。このほかデンマーク、ハンガリーでも反EU派が優勢となっている。

議席数が最大のドイツでは、与党のキリスト教民主同盟(CDU)/キリスト教社会同盟(CSU)が36.3%、社会民主党(SPD)が27.4%と、順当に2大政党が1、2位を占めた。それでも、欧州単一通貨ユーロに反対する政党で、1年前に発足したばかりの「ドイツのための選択肢」が得票率7%と躍進し、議席を獲得した。

一方、イタリアは与党・民主党の得票率が40%を超えてトップ。EUに懐疑的な野党の五つ星運動は21%と2位になったが、予想されたほど伸びなかった。

投票率は前回の43%をわずかに上回る43.09%だった。

欧州議会では2大会派のEPPと欧州社会党が票を減らしたものの、なお約400議席を確保したことで、EUの政策に大きな変化が生じることはないが、反EU派が2割近い議席を占め、一大勢力となることで、EU統合の深化にかかわる法案などの審議が難航するのは避けられない見通し。EPPと欧州社会党の連携強化が求められることになりそうだ。

それよりも、影響が大きいのは反EU派が躍進した国の内政。フランスでは与党が統一地地方選に続いて敗北したことで、政権の求心力が一段と低下する。バルス新首相は選挙結果にショックを隠せず、テレビで「地震が起きた」と語った。

英国ではUKIPが大躍進したことで、EU離脱を求める圧力が強まるのは必至。ギリシャでは信用不安が沈静化し、国債発行で資金を調達できる状況まで改善したが、SYRIZAの勝利で厳しい緊縮策への反発が再燃し、財政再建路線が揺らぐ恐れが出てきた。

今回の選挙では、欧州委員会の委員長を欧州議会選の結果を踏まえて首脳会議で指名するというEU基本条約の新ルールが初めて適用されるため、主要会派は選挙戦で委員長候補を擁立した。EPPが最大会派となったことで、同派の候補であるユンケル氏(ルクセンブルク前首相)が新委員長に就任する見通しだ。