欧州裁が三菱電機・東芝の訴え棄却、送電設備カルテルの制裁で

欧州司法裁判所の一般裁判所は19日、EUが送電設備のカルテルで三菱電機と東芝に科した制裁は妥当との判決を下した。両社は減額を求めて提訴していたが、主張は受け入れられなかった。

欧州委は2007年1月、欧州と日本の20社に対して、発電所などの送電量を制御するガス絶縁開閉装置(GIS)の販売でカルテルを結んでいたとして、総額7億5,071万ユーロの制裁金支払いを命じた。制裁額は三菱電機が1億1,392万ユーロ、東芝が8,625万ユーロ。このほか両社は連帯責任として465万ユーロの制裁金を科された。

これについて三菱電機と東芝は、事実認識が異なるとして、制裁見直しを求めて同年7月に提訴。欧州裁の一般裁判所は2011年7月、両社のカルテル関与については欧州委の判断に間違いはなかったと認定した一方で、制裁額については算定に誤りがあったとして無効とする判決を下した。

これを受けて欧州委は制裁額の算定方法を見直し、単独の制裁額を三菱電機で7,481万7,000ユーロ、東芝で5,679万3,000ユーロに引き下げることを決めたが、両社はさらなる減額を求めて12年9月に提訴していた。

三菱電機と東芝は、同カルテルで両社は欧州市場に参入しないことを他社と取り決めただけで、関与は薄いとして、制裁が重過ぎると主張していた。しかし、一般裁判所は制裁減額の理由にはならないとして、両社の訴えを棄却した。

三菱電機は声明で「主張が認められず、大変遺憾だ」とした上で、「今後このような嫌疑をかけられることがないよう法令順守に取り組んでいく」とコメントした。

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