ギリシャの国有資産売却を進める政府機関の資産開発基金(HRADF)は1月27日、国営鉄道会社トレノセの売却手続きを再開すると発表した。2月1日に入札を開始。応札期限は4月26日となる。
トレノセはギリシャで唯一の鉄道運営会社。HRADFは昨年、同社の民営化入札を実施する予定で、フランス国鉄(SNCF)など海外の3グループが関心を示していたが、応札はなく不調に終わっていた。
昨年1月に発足したギリシャのチプラス政権は、同国がEUなどから金融支援を受ける条件となっている国有資産の民営化に消極的だったが、第3次支援を取り付けた際に推進を約束。民営化で500億ユーロを調達し、資本不足に陥っている銀行の支援や財政赤字削減に充てることになっている。
チプラス政権下で実施された民営化は、これまでのところ2件。昨年に地方の14空港の運営権をドイツの空港運営会社フラポートに12億3,000万ユーロで売却し、今年に入って国内最大の港湾であるピレウス港を運営する国営企業OLPを中国海運大手の中国遠洋運輸集団に3億6,850万ユーロで売却することが決まっていた。