ノルウェー国営電力、トルコ水力発電事業を中断

ノルウェー国営電力大手のスタットクラフトは4日、トルコ南東部のチェテイン水力発電所の建設プロジェクトを中断すると発表した。現地ではトルコ軍とクルド労働者党(PKK)の戦闘が激化しており、リスクが大きいと判断した。

ボタン川に建設予定の同発電所は出力517メガワットで、完成すればスタットクラフトが国外に設置する水力発電所で最大となる。

同社は建設計画が最悪の場合、中止となる可能性を踏まえ、同資産の全額(21億クローネ=約2億4,550万ドル=)を減損処理した。このため2015年の最終損益は24億クローネの赤字となり、前年の黒字(39億クローネ)から大幅に悪化した。

トルコ南東部では昨年7月に同国軍とPKKの2年半に及ぶ休戦が崩れて以来、過去20年で最悪の武力衝突が繰り広げられている。スタットクラフトのテンネセン最高経営責任者(CEO)はロイター通信に対し、「トルコ軍とPKKの休戦破棄が引き起こす結果を考慮し、中断を決定した」と述べた。