ボスニア、EU加盟を正式申請

ボスニア・ヘルツェゴビナは15日、EUに加盟を正式申請した。これによって同国は悲願とするEU加盟に向けて前進したが、民族の融和、経済底上げなど課題は多く、加盟までの道のりは険しそうだ。

ボスニアは2008年に加盟の前段階となる「安定化・連合協定(SAA)」が署名され昨年6月に発効。加盟申請が次の目標となっていた。ドラガン・チョービッチ大統領評議会議長(大統領に相当)はブリュッセルのEU本部で、EU議長国オランダのクーンデルス外相に加盟申請書を手渡した。

多民族国家のボスニアは1992~95年の内戦を経て、セルビア系住民が中心のスルプスカ共和国と、ムスリムおよびクロアチア系住民からなるボスニア連邦に分かれている。この民族対立が障害となり、加盟手続きは停滞していた。

同国は加盟候補国としての認定が次のハードルとなる。チョービッチ議長は2017年の認定を目標に掲げているが、民族問題のほか失業率が40%を超える経済の再生といった課題を抱えており、クーンデルス外相は加盟実現に向けて構造改革の進展が必要と強調している。

バルカン諸国ではスロベニアとクロアチアがEU加盟を果たした。さらにセルビア、モンテネグロ、マケドニア、アルバニアが加盟候補国に認定済みで、モンテネグロとセルビアは加盟交渉を開始しており、ボスニアに先行している。

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