EUがアルゼンチン産のバイオディーゼル燃料に反ダンピング(不当廉売)措置を発動したのは不当としてアルゼンチン政府が世界貿易機関(WTO)に提訴した問題で、WTOの紛争処理小委員会(パネル)は3月29日、EU側を概ね支持する裁定を下した。
EUの欧州委員会は2013年、アルゼンチン政府がバイオ燃料の原料となる大豆と大豆油の輸出関税を高く設定しているため、両国のバイオ燃料生産事業者が安値で国産原料を仕入れることができることを悪用し、不当な廉価で製品をEUに輸出しているとして、反ダンピング関税を課した。期間は5年で、税率は平均24.6%となっている。
これに反発するアルゼンチンは、EUの措置がWTOの協定に違反するとして提訴したが、パネルは訴えを退けた。ただ、EUが反ダンピング関税の税率を決める際に参考としたアルゼンチン産バイオディーゼル燃料の生産コストに関しては、算出方法に問題があるとして、EUに是正を勧告した。