ユーロ圏の銀行、企業向け融資基準の緩和進む

ユーロ圏の銀行が欧州中央銀行(ECB)の量的金融緩和拡充を受けて、融資基準を緩和している。ECBが19日公表した今年1~3月期の銀行貸出調査によると、企業向け融資の基準を「緩和」した銀行は、「厳格化」した銀行を6%上回り、同率は前期の4%から拡大した。

同調査はユーロ圏の141銀行を対象に、3月11~30日に実施したもの。「緩和」と「厳格化」の差は、特にイタリアで38%と高水準に達した。ECBは企業向け融資の基準緩和について、銀行の流動性が量的緩和、低金利政策で改善したほか、企業の資金需要が増え、銀行間の競争が強まっていることが背景にあると指摘している。

一方、住宅ローンについては、需要が増大しているものの、「厳格化」が「緩和」を4%上回り、緩和が7%多かった前期から引き締めに転じていることが分かった。EUの指令で住宅ローンの審査強化を求められたことが影響したと分析している。

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