スペインが赤字削減先送り、規律違反解消は17年に

スペインの財政改善が難航している。景気回復が遅れて、昨年の財政赤字が目標を大きく超過したためで、同国政府は19日、赤字をEUの財政規律で上限となっている国内総生産(GDP)比3%を下回る水準に削減する目標の達成時期を16年から17年に先送りすると発表した。

スペインはEUに対して、財政赤字を16年にGDP比2.8%まで削減することを約束していた。しかし、15年の赤字が5%と、目標の4.2%を大きく上回ったことから、今後の目標修正を迫られた。16年の目標はGDP比3.6%、17年に2.9%まで削減し、規律違反を解消する計画だ。

政府は世界的な景気停滞により、16年の予想GDP伸び率を当初の3%から2.7%に下方修正した。デギンドス経済相は19日、厳しい財政緊縮は国内経済回復の足かせとなるとして、赤字削減先送りへの理解を求めた。

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