武蔵精密工業は9日、自動車部品製造の独ハイ・グループを買収することで合意したと発表した。製品の幅を広げるとともに、これまで手薄だった欧州事業を強化し、グローバルな事業体制を構築する。
同社は米投資会社ゴアズ・グループからハイの全株式を3億6,100万ユーロで取得する。ドイツなど各国の独禁審査を経て6月末に買収手続きを完了する予定だ。
ハイは欧州最大の鍛造・機械加工メーカーで、大型パワートレイン部品で高い競争力を持つ。欧州の完成車メーカー、サプライヤーと取引関係があり、ドイツ、ハンガリー、スペインの欧州3カ国で計8工場を展開。中国でも生産を開始した。
武蔵精密は計21の生産拠点を持つ。うち15カ所はアジア、5カ所は米州で、欧州は1カ所にとどまる。ハイを買収すると欧州は一気に9カ所へと拡大し、欧州企業とのパイプも太くなる。
武蔵精密は小型・中型鍛造部品に強い。ハイの買収により大型のリングギヤ、シャフトなどパワートレイン商品のラインアップを拡充する。