EUは27日、北朝鮮に対する制裁を強化すると発表した。同国が今年に入り、核実験と弾道ミサイルの発射を強行したことを受けた措置。EUは今月19日、北朝鮮の個人と企業に対する資産凍結や渡航禁止措置の拡大を発表しているが、EU独自に一段の厳しい措置を講じることを決めた。一連の措置は28日付で発動された。
追加制裁は貿易、金融、投資、運輸の4分野が対象。北朝鮮からの石油製品やぜいたく品の輸入を禁止し、北朝鮮との間での資金移動も原則として禁止する。また、EU側から北朝鮮の鉱業や化学産業などに投資することを禁じる。さらに北朝鮮の航空機によるEU内への乗り入れと、同国の船舶の入港も禁止する。
EUは北朝鮮の行動を「国際社会の平和と安全に対する重大な脅威」と改めて非難。核や大量破壊兵器、弾道ミサイルの開発に向けた資金源を断つことが追加制裁の狙いと説明している。ただ、EUと北朝鮮の貿易額は10年前の年間3億ユーロ規模から2014年は3,400万ユーロに縮小しているほか、現在も北朝鮮との国交を維持しているドイツやスウェーデンが同国を完全に孤立化させることに懸念を表明しており、一部で追加制裁の実効性を疑問視する声も出ている。