英ボーダフォン、本社の国外移転を検討

携帯電話サービス大手の英ボーダフォンは6月29日発表した声明で、英国のEU離脱が国民投票で決まったことを受けて、本社の英国外への移転を検討していることを明らかにした。

ボーダフォンは声明で、同社の顧客、従業員の大半が海外に集中し、昨年は利益の55%を英国以外の欧州事業が占めたことに言及。域内のヒト、カネ、モノの移動の自由が保障されるEUに英国が加盟することが同社の成長にとって重要だったと指摘した。

その上で、「英国のEU離脱手続きが完了した時点で、こうした利点がどれだけ残るか不透明だ」として、本社移転を検討していることを確認。「現時点で何らかの決定を下すことはできない」としながらも、状況を見極めながら「顧客と株主、従業員にとって最も適切な決断をする」としている。

英国ではEU離脱が決まったことで、格安航空会社のイージージェットが1日、離脱後もEU域内で事業を展開できるようにするため、EUの航空運送事業認可(AOC)取得に向けた手続きを開始したと発表。一部で本社移転も検討中と報じられたことに関しては、離脱交渉の結果、事業環境がどのように変化するか判明するまで現状を維持する方針を示した。一方、同じく本社移転がささやかれている金融大手HSBCのダグラス・フリント会長は30日、移転の可能性を否定した。

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