キャメロン英首相の辞意表明に伴う与党・保守党の党首選は7日、同党の下院議員による2回目の投票が行われ、メイ内相(59)とレッドソム・エネルギー担当閣外相(53)が最終候補に残った。どちらが勝っても故サッチャー元首相以来、2人目の女性首相が誕生する。
7日の投票で、メイ氏は保守党下院議員(330人)の6割にあたる199票を獲得。レッドソム氏は84票で2位だった。当初、メイ氏との一騎打ちが予想されていたゴーブ司法相(48)は46票で最下位となり、党首選から脱落した。
最終決戦は約15万人の一般党員による郵便投票に委ねられ、9月9日に結果が発表される。党員投票でもメイ氏が優位に立つと予想されるが、同氏は先の国民投票でEU残留派だったのに対し、一般党員は離脱派が過半数を占めており、離脱キャンペーンで頭角を現したレッドソム氏が支持を広げる可能性もある。
キャメロン政権下で6年にわたり内相を務めたメイ氏は、国民投票の結果を受け入れるべきだとの立場で離脱派からも一定の支持を集めており、「分裂した党内をまとめることのできる唯一の候補」とアピール。一方、レッドソム氏は初当選が2010年でこれまで無名に近い存在だったが、離脱派のリーダーで当初は次期首相の最有力と目されていたジョンソン前ロンドン市長や元党首らの支持を得ており、国民投票の結果を受けて「党首は離脱派から選出すべきだ」と強調している。
決戦投票に向けてはEU離脱交渉の進め方が争点になる。メイ氏は英国にとって最も有利な条件を引き出すため、来年以降に時間をかけて慎重に交渉を進めるべきだとの考え。これに対し、レッドソム氏は交渉が長引けば英経済に悪影響が及ぶとし、ただちに離脱交渉を開始すべきだと主張している。