英投資会社のメルローズ・インダストリーズは6日、空調、ホームセキュリティー機器などの製造販売を手掛ける米ノーテックを買収することで合意したと発表した。買収額は負債の引き受けを含めて28億1,000万ドルに上る。
ノーテックは2009年に経営破綻し、米連邦破産法11条の適用を受けて再建を進めている。不振の企業を買収し、再建してから高値で売却する手法で知られるメルローズは、英国のEU離脱でドル高・ポンド安の進行が見込まれる中、同社の買収によってドル建て収益を増やし、経営の安定を図る。1株当たりの買い取り価格は86ドル。前日の終値に38%を上乗せした水準となる。
メルローズは昨年、傘下の電力メーター製造会社エルスターを売却。現在は発電機器メーカーのブラッシュが唯一の投資先となっており、新たな企業への投資を模索していた。ノーテックは米建設市場の復調で製品の需要増大が期待できることから、買収を決めた。