欧州中央銀行(ECB)は21日にフランクフルトで開いた定例政策理事会で、現行金融政策の維持を決めた。主要政策金利を0%、民間金融機関が余った資金をECBに預け入れる際の金利(中銀預金金利)をマイナス0.4%に据え置く。
ECBの理事会開催は、英国が国民投票でEU離脱を決めてから初めて。ドラギ総裁は理事会後の記者会見で、ユーロ圏の金融市場は離脱決定後の混乱を「乗り越えた」と発言。インフレ率がプラスに復帰したことなどにも言及し、現時点での追加金融緩和は不要との見解を示した。
ただ、ドラギ総裁は英の離脱による景気の不透明感、新興市場の成長鈍化といった不安材料に触れ、「ユーロ圏には依然として景気の下触れリスクがある」と指摘。必要に応じて量的金融緩和の拡充など追加措置を講じる用意があることを明らかにした。