ビール世界最大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ、本社ベルギー)は20日、同2位の英SABミラーを買収する計画が米司法省から承認されたと発表した。主要市場での認可はEUに続くもので、買収実現に向けて大きく前進した。
インベブは昨年11月、SABミラーを710億ポンド(当時のレートで約1,120億ユーロ)で買収することで合意した。これによって世界のビール市場で約3分の1のシェアを握る巨大ビール会社となることから、関係国・地域の競争当局から認可を取り付けることが大きな課題となっている。
同社は米国での認可に向けて、米合弁会社モルソン・クアーズの株式58%を売却することを決定済み。これに加えて、今後10年間は地ビール会社の買収で司法省の事前認可を前提とすることや、インベブとSABミラーの製品を多く販売するビール卸売り会社に報奨金を支給する制度を見直すことなどを約束し、承認を取り付けた。
同買収は米国を含む21カ国・地域の当局で承認された。主要市場では中国当局が審査中だが、インベブは競争上の是正策を提示しており、承認される可能性が大きい。