伊大手銀モンテ・デイ・パスキ、CEOが辞任

不良債権問題で揺れる伊大手銀行のバンカ・モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ(BMPS)は8日、ファブリツィオ・ビオラ最高経営責任者(CEO)が辞任すると発表した。新体制で不良債権処理を進めることになる。

BMPSは国内3位の銀行。巨額の不良債権が経営を圧迫しており、欧州銀行監督機構(EBA)がEUの主要銀行を対象に実施した2016年のストレステスト(健全性審査)で、最も低い評価が下された。これを受けて同行は7月、米JPモルガン・チェースなどを引き受け先とする50億ユーロの増資実施を柱とする再建策を発表していた。

同行は不良債権問題を解決するため、ビオラCEOが2012年に就任してから2度にわたって増資を行い、80億ユーロを調達したが、厳しい状況が続いている。消息筋によると、取締役会はトップが交代しないと投資家の信頼が回復せず、増資が順調に進まない恐れがあるとして、ビオラ氏に辞任を求め、同氏が受け入れたという。

BMPSはビオラ氏の後任を近日中に決める予定。それまでは同氏がCEOにとどまる。

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